我が家の朝は早い。
最近は日の出がまだまだ遅い為、大した事はないが、夏場になれば5時過ぎにはバラを切り始める。
朝食はバラ切り後なので、切ってきたバラを冷蔵庫にしまう頃には腹ペコである。
というわけもあり、朝働いていない日など朝飯の入る余地はない。
「働かざる者食うべからず」を実践しているのだ。
なので今回のような遠出をして宿泊する時は、朝食を取らないで時間ぎりぎりまで寝る。
決して惰眠を貪っているわけではない。
出発時間にはビシッときめて本日は神奈川県平塚市へ。
1件目の「大沢園芸」さんはブライダル需要の高い淡い中輪系のバラが多く、栽培方法は土耕切り上げ式だ。
土耕きり上げ式はしなやかで小振りな花ではあるが、採花本数が多く。土耕特有の力強い仕上がりになる。
2件目の「藤間バラ園」さんは、ここ最近世田谷花き市場に出荷を始めたようで、お花屋さんからの評判を耳にしたので大沢さんに紹介してもらい、連れて行ってもらった。
藤間さんはイングリッシュローズの栽培が大半を占めていたようであるが、最近では徐々にモダンローズに戻しているようである。
モダンローズにアンティークタッチのものが増えてきているのと、イングリッシュローズの栽培の困難さが伺える。
3件目の「秋山農園」さんは、頭の大きく品質良いカーネーションとダスティーミラーなどセンスのいい葉物を生産されている。
何故私がカーネーション農家にお邪魔したかと言うと、ご存知の方も多いであろうが秋山農園の若旦那さんは青山市場・世田谷花きでセリ人をやっており、私が市場に勤めている時も大変お世話になった御仁である。
秋山さんに置かれても、生産したカーネーションなどの殆どが契約生産になっており、生産者の理想の先を行く生産をされている。
午前中に三軒訪問するという強行ツアーではあるが、何とか若干時間を押し気味で回ることができた。
時間も正午を回ったくらいであったのもあり、秋山さんが昼食に誘ってくれた。
向かった先が蕎麦屋であった為、私は
「蕎麦ぁ?信州人を県外で蕎麦に連れてくとは! 神奈川って言ったら・・・・・肉だろ肉っ!!(←知らない)」
と思っていたら、そこの「鴨ザル蕎麦」が絶品で私の貧乏舌に霹靂が走った。
鴨の味も分からぬ上、神奈川の蕎麦屋を心で嘲り、その上、秋山さんにご馳走までなってしまった。
自らの傲岸不遜に嫌気が差した。
全く、「驕る堀木は久しからず」である。
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