「親バカ」という言葉は存在するが、「子バカ」という言葉はあるのだろうか?
遺伝子に組み込まれた、幼子を可愛がるという行動から人間は、目を背ける事はできないのだろう。
「親思う心に勝る親心」と昔から言うように、親心には所詮親孝行は勝てないものだ。
私の父を見ていると、子バカながら感心する所がある。
父は、少し仕事の手が空いたり、行き詰ったりすると、近くの生産者の温室にふらっと見学に行く。
そこで、例え自分より後輩の生産者がやっている事でも、興味を持てば教えを請い、我が家へ持ち帰り実践してみる。
自分より経験が浅いからとか、若年だからという侮りがない。
私も父を見習って、機会があれば遠方にでも足を伸ばし、人様の温室に足を踏み入れる。
先日も2日掛けて、静岡県の後藤バラ園、神山バラ園、芹沢バラ園、神奈川県のソエダローズアベニュー、熊沢ばら園を見学してきた。
どれも国内屈指の個選生産者だ。
私の様に、未だ生産に疎いバラ屋では、大した質問も出来ず、只々感嘆の溜息を臓腑から吐き零す事しか出来ないが、温室の風景を脳裏にしっかりと焼き留める。
全部は理解できなくとも、経験する事が大切だと思うし、何れ理解できるかもしれない。
疑問を持ち帰り、父に話すと案外すんなりと解決する場合もある。
これからも多くの生産者を訪問し、少しでも盗める事は盗みたい。
「モチベーション」とは、中々一人では長続きし難い。
自ら刺激を与えて、マッチの火の様に赤く一瞬で燃え上がる赤い火ではなく、蒼白く高温で安定して燃えるガスの火の様な志しを持ちたい。
ところで童顔というのは、顔と比較して目が大きい事と鼻筋の短い事が条件らしい。
ぱっちりお目々とちょこんとした鼻を持てば、三十路であっても赤子と対等に可愛がられるかもしれない。
顔に変化は現れないが、何故か自然と幼児体形になってきている。
これで何処の生産者を訪問しても、可愛がられる事請け合いだ。
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