私は頑固者であるが、普段はなるべく柔軟に広い視野を持ち、良い意見であれば老若男女問わず、頭を下げてでも教えを請いたいと思っている。
所詮、偉そうに能書きを垂れても、高々一回30年間生きているだけで、経験はすこぶる乏しいものだ。
なんて事を言ってみても、怠け者で、出来れば楽して儲けたいなどという腹もある。
こんな私だが、ある「スイッチ」が入ると、極度に頑固になり、テコでも他人の意見に耳を貸さず、目的の為に歩みを止めず、苦痛さえ楽しくなってしまうことがある。
それは「限界」を迎えた時だ。
「限界」を迎え、腹をくくらなければならなくなった時の私は、「スーパーマリオ」が「スター」を取った時のように、ある意味無敵になってしまう。
先日も「堀木園芸フェア」の時に、えらく話の長い仙人に捕まってしまった。
彼は、自らの過去の栄光や趣味の話、これからの花き業界について、私の興味の無さなど意にも返さず、とうとうと語りだした。
長話で有名な仙人に捕まってしまった私は、周りの人に視線を送り、助けを求めたが、どいつもこいつもデクの坊ばかりで役に立たない。
しかも、仙人は徐々に徐々に接近してくる為、あらぬ方向へ私は押し流されてしまっている。
あまりにも長く退屈な話を、ゴリ押ししてくるので、次第にウザくなってきたのだが、途中から「スイッチ」が入ってしまった。
まずは、とりあえず聞き流しとこうと思った話に、喰い付いて反論して、今度はこちら側から近寄って言った。
胸の前に組んだ腕の肘が当たり、唾が飛んできても、私は前に出た。
すると仙人は、次第に後ずさり、最終的に話を切り上げ帰っていった。
私の勝ちである。
その後の「フェア」の打ち上げで、「ウィズ」の松永君と昼から夜10時位まで飲んでいた。
彼と別れ、ホテルへ向かって歩いていると、さっぱりホテルの場所が分からない。
携帯を駆使して地図を出しても、現在地が分からず、それどころか途中で携帯の電源が落ちてしまった。
僅かに残る地図の記憶と、ホテルの名前だけを頼りに、深夜の街を徘徊していると「スイッチ」が入ってしまった。
絶対にタクシーに乗らない。人に道を聞いてなるものか、コンビニなども入らない。
そう腹をくくって電車で5分の道のりを、迷い迷って1時間半後に到着。
これまた私の勝ちである。
失った時間など関係ない。
私が決めた事は、絶対に曲げない。止めない。
よく仕事中でも「スイッチ」が入ってしまって、この前など・・・・。
おっと!また「スイッチ」が入ってしまいそうなので、今回はこの辺で。
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